日本体育大学世田谷キャンパスにて開催される平成27年度日本武道学会大会におきまして、剣道専門分科会では以下の講演会を企画いたしました。一般の方もご参加いただけます。皆様の参加をお待ちしております。
テーマ:剣道とマスメディア ーテレビ放送からみた剣道ー
KENDO and Mass Media - From the Point of View of a Television Broadcast
日 時:平成27年9月10日(木) 14:00〜15:00ご講演 15:00〜15:30 質疑応答
場 所:日本体育大学世田谷キャンパス 教育研究棟2階2201教室
講 師:NHK大阪放送局アナウンサー 太田 雅英 氏
|
学習院大学法学部卒業後、平成10年に入局。全日本剣道選手権大会や国体などの実況中継の他、主として大相撲を中心としたスポーツ中継を担当。5月に東京で開催された第16回世界剣道選手権大会でもアナウンサーを務める。第12回世界剣道選手権大会のドキュメンタリー「ただ一撃にかける(NHKエンタープライズ)」の制作を手掛けた。本作品は平成15年度(第58回)文化庁芸術祭優秀賞を受賞。そのほか、スポーツ大陸「己に克て」、関西クローズアップ「明日に向かって撃て」などの制作に関わる。剣道五段。 |
|
司 会:長尾 進(明治大学)、大石純子(筑波大学)
スポーツとマスメディア(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等)との関係については、スポーツ社会学やスポーツビジネス論等の立場から、これまでにも様々に論じられ 研究が進められてきた。一方で、武道とマスメディアの関係については、あまり正面から取り上げられてきていない、と言ってもいいであろう。
近代において武道とマスメディアとの関係が最も顕著になったのは、昭和天覧試合(昭和 4 年)においてであり、新聞各紙がこぞって取り上げ、また大日本雄弁会講談社が大会前から雑誌での特集を組み、終了後は大部の刊本『昭和天覧試合』、同附録『武道宝鑑』を発刊したことなどを契機として、戦前における武道ブームの火付け役となった。戦後、剣道はテレビドラマやマンガ・アニメ等でもとりあげられ、 昭和 40 年代における武道ブームをけん引した。また、昭和 40 年代後半から 50 年代にかけて発刊された月刊誌が、剣道の普及に貢献してきた面も見逃せない。しかしながら競技としての剣道を見た場合、オリンピック種目である柔道と比較してみれば、マスメディアにおける露出度には大きな開きがある。一方で、先般の第 16 回世界剣道選手権大会においては、久々の日本開催ということに加え、代表選手のなかに学生選手が複数名入ったこともあり、NHK をはじめとして民放においてもこれまでにない取り上げ方であった。
武道のなかでもとりわけ伝統を重んじる剣道は、とくにテレビという媒体における取り上げ方において、ある種の難しさが潜んでいよう。また、テレビ放送という立場からみた場合、コンテンツとしての剣道はどのような価値をもつものであるのか。あるいは、テレビの取り上げ方が剣道に影響を与えうるのか等々について、剣道専門分科会としてアカデミズムの立場からこれを機に考えてみたい。
講師の太田雅英氏は、全日本剣道選手権大会をはじめとして長年剣道の放送や番組制作に関わってこられ、先の第 16 回世界剣道選手権大会の本放送をご担当された方である。氏のご経験やテレビ放送というお立場からみた剣道について、縦横に語っていただく予定である。剣道専門分科会員のみならず、多くの学会員の参加を期待している。 |
|
|