日本武道学会第51回大会は、9月4日(火)〜5日(水)に東京学芸大学で開催されます。剣道専門分科会では、下記の日程で、総会および剣道専門分科会企画を開催いたします。今回は、坂東隆男先生にご講演をお願いしました。是非ご出席いただけますよう、お待ち申し上げます。

     テーマ:「剣道における姿勢の研究とその展開について」
  
     日 時:平成30年9月5日(水)15:00〜16:30(剣道専門分科会総会終了後)

     場 所:東京学芸大学(〒184-8501 東京都小金井市貫井北町4-1-1) C201(C棟2階)

     講 師:大阪大学 教授  坂東 隆男 氏

     司 会:香川大学 准教授  宮本 賢作 氏

 一般的に「剣道を行っている人は姿勢が良い」と言われる。この場合の姿勢とは、日常の場面等において剣道の経験がない人から見た印象である。実際に剣道経験者を対象に立位姿勢の測定を行った結果、脊柱彎曲角度において頸腰前傾角が小さく、胸を張り、見た目に堂々とした姿勢に感じられる。また側方から観察した身体各部位の整列状態の得点が高く、さらに重心動揺や身体動揺が小さいため安定している。剣道経験者のこれらの特徴が一般的な印象に結びついていると考えられる。
 これらの知見を広く生かす場合、どのような展開を考えたらよいのであろうか。
形態としての姿勢は行動体力の一要素であるが、全身持久力や筋力、瞬発力などの機能的要素に比べ、特にコーチング面での取り扱いはあまり大きくない様に思われる。しかしながら、姿勢は日常において気軽に実践できる健康づくりのテーマとして捉えることが可能である。また、「積極的な姿勢を見せる」などの言葉に示されるように、意欲と姿勢には強い関係が感じられる。
 これらを手がかりに、姿勢の持つ意味と展開を考えたい。


日本武道学会剣道専門分科会 Division of KENDO, Japanese Academy of BUDO