第56回日本武道学会弓道専門分科会企画について(令和5年度)

 令和5年9月5日(火)に、「中学校体育における武道(弓道・なぎなた)授業の実際:授業採択に係る問題は解決できるのか」を開催します。この企画は、日本武道学会第56回大会の弓道・なぎなた専門分科会合同企画として開催します。

企画について

 平成24(2012)年度に中学校で武道が必修化されてから10年が経過した。しかし、「武道」とはいえども、実際は柔道・剣道の実施が約9割を占めている。弓道・なぎなたに至っては、実施率が1%程度であるのが現状である。それでは、実施率の低い武道(弓道・なぎなた)は、今後中学校体育授業としてどのように展開していくべきなのか。これまで実施に伴う諸問題が数多く指摘されてきたが、それらの問題を改めて整理し、その本質的な問いに対して検討・考察を行う。
 はじめに、弓道専門分科会より、歴史的な観点から学校体育における弓道・なぎなたについて議論を行う。弓道・なぎなたは、剣道・柔道に続いて、昭和11(1936)年に中等学校の正課として同じ時期に導入された歴史を有している。しかし、弓道・なぎなた共に教員・道具の不足、カリキュラムの未整備、流派の問題などによって、その実施率は決して高くはなかった。当時の授業実施に伴う問題点は、現在の弓道授業が抱えている課題と共通するものが多い。その問題点を改めて整理すると共に、どのようにして問題解決に取り組んできたのかも明らかにする。
 次に、なぎなた専門分科会より、社会学的な観点から、スポーツ庁委託事業を活用して授業推進を行ってきた大阪市立墨江丘中学校の事例を中心に、なぎなた授業の実際について報告を行う。今後の授業採択についての問題点と課題を検討する。
以上の2つの議論を基に、学校体育における武道(弓道・なぎなた)授業の実際について理解すると共に、授業採択に伴う問題は解決できるのか、今後の武道(弓道・なぎなた)授業に対する提言の作成も見据えた議論を行う。

日時                 :令和5年9月5日(火)14:30~16:00

開催方法          :対面+Zoomを用いたハイブリッド開催(予定)

対面開催場所   :大阪教育大学 A212

予定                :
①なぎなた専門分科会代表挨拶    田中ひかる(近畿大学)
②弓道専門分科会代表挨拶      五賀友継(国際武道大学)
③企画・趣旨説明          原田隆次(国際武道大学)
④近代学校教育における弓道・薙刀授業 
⑤なぎなた授業の現状報告       今浦千信(公益財団法人全日本なぎなた連盟中学校武道必修化プロジェクト推進委員
                        /摂南大学非常勤講師)
⑥質疑応答

司会                 :宮田尚美(名古屋市立南光中学校)


 なお、本年の日本武道学会第56回大会は9月4日(月)ー5日(火)に大阪教育大学で開催されます。詳細については、日本武道学会HPをご覧ください。
http://www.budo.ac/
2023年07月24日